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扶養内と扶養外、どっちが得?選ばなかった私が改めて整理してみた。


再就職を考え始めたとき、私は扶養内で働く選択肢がそもそもありませんでした。

理由は現実的なものでした。保育園に入れるかどうかの問題です。

多くの自治体では、保育園の入園選考に「点数」があります。フルタイムで働いている親は点数が高く、パートや短時間勤務だと点数が下がる。点数が低いと、以前の記事でもお伝えした通り保育園に入れません。フルタイムの点数でなければ保育園に入れない激戦区に住んでいたため、働くならフルタイムしかない、という結論になりました。

ただ、扶養内で働くことを選ぶ方もたくさんいます。知人には、年収を一定額以内に抑えるために12月は仕事を断っていた方もいました。扶養内で働くことには、それなりの理由とメリットがあります。

実は、私自身、扶養のメリットがあまりよくわかっていませんでした。この記事を書くにあたって、改めて整理してみます。


そもそも「扶養の壁」とは何か

扶養内で働くとよく耳にする「壁」は、主に3つ——ありました。ただ、今は制度が変わりつつあります。何がどう変わっているのか、私なりに整理してみます。

① 税金の壁(旧・103万円の壁 → 160万円・178万円へ)

かつては年収103万円を超えると所得税がかかり始め、夫の配偶者控除も減っていくため、「103万円以内に抑えよう」と考える方が多くいました。

この基準は引き上げられており、現在は配偶者特別控除が満額になる上限が160万円(※19〜22歳の特定扶養親族に該当する場合は150万円)になっています。さらに令和8年度の税制改正大綱では、所得税の課税最低限を178万円まで特例的に引き上げる方向が閣議決定されています(国会での法案成立が前提)。

詳しくは内閣官房「年収の壁」特設ページをご確認ください。

② 社会保険の加入義務の壁(旧・106万円の壁 → 賃金要件撤廃予定)

従業員51人以上の企業で、週20時間以上・月収8.8万円以上などの条件を満たすと、年収130万円以下でも社会保険への加入が必要になる壁です。

ただし現在、この制度は変わりつつあります。

  • 月収8.8万円の賃金要件は撤廃予定(令和7年年金制度改正法。全都道府県の最低賃金が1,016円以上になることを見届けた後に廃止)
  • 社会保険に加入しても手取りが下がらないよう取り組む企業には、国から支援金が支給される制度が設けられています

詳しくは内閣官房「年収の壁」特設ページをご確認ください。

③ 社会保険の扶養判定の壁(旧・130万円の壁 → 扶養認定の柔軟化へ)

年収130万円を超えると、夫の社会保険の扶養から外れ、自分で健康保険と年金に加入する必要が生じる壁です。保険料の負担が発生するため、「手取りが減る」と感じる方が多く、扶養内にとどまる大きな理由のひとつでした。

こちらも見直しが進んでいます。

  • 繁忙期などで一時的に収入が増えた場合は、扶養から外れないよう認定基準が柔軟化されています
  • 社会保険に加入しても手取りが下がらないよう取り組む企業への支援も行われています

詳しくは内閣官房「年収の壁」特設ページをご確認ください。


扶養内 扶養外
収入 上限あり(一定額以内に抑える必要あり) 上限なし
所得税・住民税 一定額以下なら非課税
(103万円→160万円、178万円へ引き上げ中)
かかる
社会保険料 自己負担なし(夫の扶養に入れる) 自己負担あり
(社会保険に加入しても手取りが下がらないよう取り組む企業には、国から支援金が支給される制度あり)
自分の厚生年金 積み上がらない 積み上がる(将来の年金が増える)
家族手当
(もしご主人の会社に扶養内の親族に対する家族手当がある場合)
支給される場合あり 対象外になる場合あり
万が一のとき
(離婚など)
社会保障あり、収入基盤が配偶者頼みの部分が大きい 社会保障あり、自分自身の収入基盤がある
キャリア 時間をコントロールしやすい(自分次第) 継続・発展させやすい

どちらが向いているか

正直に言うと、どちらが「得か」は、家庭の状況によって変わります。

扶養内が向いているケース 扶養外・フルタイムが向いているケース
子どもがまだ小さく、働ける時間が限られている 保育園の点数を確保したい
体力的・精神的に、フルタイムは難しい時期 将来的に収入を増やしたい、キャリアを続けたい
配偶者の収入が安定していて、当面の生活に困らない 自分の年金・保障を積み上げておきたい
まず「働くことに慣れる」ことを最優先にしたい 年齢を考えて最速で再就職を軌道に乗せたい

ひとつだけ、覚えておいてほしいこと

扶養内で働くことを選ぶことは、1つの戦略だと感じています。

ただ、**扶養内は「今の選択」**であって、将来的には自分の状況を改めて確認し、見直してみることもありだと思っています。子どもが大きくなったとき、状況が変わったとき、扶養を外れて働くことを選び直すことは十分できます。

国も扶養の壁をなくす方向に動いています。制度が変わっていく中で、「扶養内か否か」という選択肢自体が変わっていく可能性もあります。

今の自分に合った働き方を選びながら、将来の選択肢は広く持っておく。それが一番だと思っています。


まとめ

  • 「壁」は3種類:
     ①税金(旧103万円→160万円・178万円へ)
     ②社会保険の加入義務(旧106万円→賃金要件撤廃予定)
     ③社会保険の扶養判定(旧130万円→認定柔軟化)
  • 扶養内のメリット:保険料負担なし・税金なし・時間のコントロールがしやすい
  • 扶養内のデメリット:収入に天井・自分の年金が積み上がらない・万が一に弱い
  • どちらが向いているかは、家庭の状況・子どもの年齢・将来の目標による
  • 今の選択が「ずっとこのまま」でなくていい