専業主婦5年超、ブランクありで年収500万円の転職に成功した話
5歳の娘に言われた一言が、忘れられません。
「お母さんは、家事をする人でしょ?」
怖くなりました。この子の「お母さん像」が、このまま固まってしまう、と。
娘にとって「女の人はこういうもの」という将来像を、私が作ってしまっている。 これでいいの? 押し込めていた違和感が一気に溢れ出した瞬間でした。
その日、また働こうと決めました。
当時の私は、専業主婦でした。
環境が大きく変わったタイミングで、友達も親戚も近くにいない。社会から切り離されたような孤独感がありました。
子どもに習い事をさせてあげたい。でも自由に使えるお金がありません。
焦りと孤独と、娘への罪悪感。それが重なって、「動かなければ」と思いました。
「動こう」と決めても、何から始めればいいかわかりませんでした。
とりあえず転職エージェントに登録して、話を聞いてもらうことにしました。
担当の方に状況を話すと、こう言われました。
「ご家庭を最優先にということなんですね。」
ハッとしました。自分では気づいていませんでした。家庭を最優先にしながら、自分がどうしたいか、という気持ちがすっかり抜け落ちていたんだ、と。
その言葉で、肩の力が抜けた気がしました。完璧に復帰しなくていい。今の自分にできる範囲で、動けばいい。
2ヶ月後、内定をもらいました。
嬉しかったです。でも同時に「どうしよう」という気持ちもありました。
本当に私にできるのか。子どもとの生活は回るのか。
だからまず、小さく始めることにしました。短時間の仕事でソフトランディング。大丈夫だと確認できてから、フルタイムに移行する。
そして、4月からフルタイムで働き始めました。
専業主婦だった私が、年収500万円の会社員になった瞬間でした。
仕事を始めたあと、専業主婦時代の友達に言われました。
「すごいね」と。
全然すごくない、と思いました。むしろ専業主婦の方が大変です。
仕事には終わりがあります。時間が決まっています。プロジェクトが終わります。褒められます。お金がもらえます。「ここまでしかできない」という境界線があります。
専業主婦には、それがありません。料理だって、買ってきた食パンでいいところを、自分で手作りすることもできます。凝った料理を作ることもできます。どこまでも際限がありません。これでいいのか、もっとできるのではないか、と自分で自分を追い続けてしまいます。しかも専業主婦には土日がない。休みが来ない。
だから言いたいのは、あなたがすごくないわけじゃないということです。
専業主婦という仕事を、私は心から尊敬しています。本当にすごいことだと思っています。だから不満がない方は、そのままでいてください。
でも、何か焦りや不満を感じているなら。ただ「自分は動けない、できない」と思っているだけなら。
少しだけ、動いてみてください。私もそうだったから。